秘書はあらがえない気持ちを抱いて 【おまけ①】
「ヒュ~、良い体してんなー」

カシャカシャっと、向けられたスマホから幾度も写真を撮られる音が鳴る。

心が折れそうだ…

外気に去らされた胸をなぶる視線から直ぐにでも逃れたい…

でも、怯んでいる姿を見せるわけにはいかない。

俺はあいつの恋人であると同時に、金森進一郎の従者であり秘書。

強く気高い心を持つ人の側にいるということは、自分も勝るとも劣らない心を持たなければならない。

そうでなければ置いていかれてしまう。

だから、俺は決してお前に心を折られたりしない。

「少しは怯むと思ったが、良いね~その眼。いつまで持つか楽しみだ。
さあ、何から始めようか?
縄が良いか?それとも卑猥なコスチュームでも着てみるか?それとも…いきなり玩具でもいいな~」

「ぐっ…」



コンコン



「ん?暫く来るなと言っておいたのに誰だ。」

ドアを叩く音で、槙村がベッドから離れ扉を開けた。

こちらからドアの外の人物は見えないが、槙村が息を飲むのが分かった。


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