秘書はあらがえない気持ちを抱いて 【おまけ①】
「進一郎、そいつと二人には出来ない。危険だ。」

「大丈夫だ、心配するな。俺を信じろ。 」

「………」

信じろと言われてしまえば、俺には引き下がる選択肢しかなく、しぶしぶ部屋を出た。

が、扉が閉まると同時に鍵がガチャリと掛けられた。

「進一郎!?」

二人が立っていた位置から考えれば、鍵を掛けたのは進一郎だ。

でも、どうしてわざわざ鍵を…

ドアに耳を押し当ててみてもくぐもった声しか聞こえない。それでも、激しい物音や苦しむ声が聞こえてくる。

中で何が起こってるんだ…

進一郎…無事なのか…

俺は祈る気持ちでドアの前で待ち続けた。







30分が経過した頃、やっとドアが開いた。

「進一郎!無事か!?」

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