秘書はあらがえない気持ちを抱いて 【おまけ①】
「どこにもかけられたくなんかない!」と、俺は進一郎が持つ瓶を取り上げた。

「あっ、おい!」

「これは没収だ!夕食にも出さないからな!」

「はあ!?」

「こんな危険なもの出すか!」

「えー、そりゃないだろー
横暴だー、俺から楽しみを奪うなー」

俺は瓶を取られないよう手を上げ、ブーブー言って手を伸ばす進一郎の顔をもう片方の手で押さえて制すが、このままではいつ取られるか分からない。

「そんなに聞き分けが悪いと愛想尽かすぞ!」

「!?」

その言葉に信一郎が固まった。

「瑛二…、愛想尽かすのか…」

視線を落としシュンとして見るからに落ち込んだ進一郎に、罪悪感が芽生えてくる。

それと同時に興奮気味だった俺の気持ちも瓶を持つ手と一緒に下がってくる。

「さっきの自信過剰はどこいったんだよ。」


< 6 / 85 >

この作品をシェア

pagetop