秘書はあらがえない気持ちを抱いて 【おまけ①】
庭に面したガラス窓から差し込む陽光のシャワーの中を、キラキラと輝きこちらに歩いてくる。

徐々に顔が認識出来るようになってくると、俺の心臓もそれに合わせ早くなっていく。

う、そ、だろ…

俺の前に立ったのは、あの公園で会った子だった。

「御初にお目にかかります。桜井瑛二と申します。どうぞよろしくお願い致します。」

完璧なお辞儀だった。

だが、そこにはあの輝く笑顔はなかった。

寧ろ、無表情と言ってもいい。

先程会った子に間違いないはずなのだが、別人のようだった。

…別人じゃないよな?いや、まさか…

「金森進一郎だ。こちらこそ、これからよろしく頼む。」

部屋に佐月もいる手前、無暗に公園のことも聞けず、無難な挨拶になってしまった。

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