秘書はあらがえない気持ちを抱いて 【おまけ①】
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屋敷に帰り、皆に謝った。
父さんには、しこたま怒られた。
そして、従者の瑛二が側にいなかったことで、瑛二にも父さんの怒りが落とされそうになったが…
「俺が、付いてくるなと言ったから、瑛二はそれに従っただけだ。」
俺は嘘を付いた。
俺のせいで瑛二が怒られるのは嫌だ。
それでも瑛二はお叱りを受けたが、父さんにしては軽目だったと思う。
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「瑛二お前、俺のことバカって言ったな。」
父さんから解放された後、部屋に瑛二を呼んだ。
「…はい。」
「お前に、俺をバカと言った罰を与える。」
「………」
「俺と二人だけの時は、俺を進一郎と呼び捨てで呼べ。あと、敬語も無しだ!」
「それは…」
「俺をバカ呼ばわりして只で済むと思っていたのか。」
「罰は甘んじて受けます。ですがこれは…」
「では命令だ。この罰を甘んじて受けろ。」
「分かった…、進一郎。」
瑛二を困らせているのは分かっているが、俺はとても嬉しい気分だ。
それに…
「瑛二、お菓子が食べたい。」
この件が切っ掛けで瑛二は俺の動向をこれまで以上に気にするようになって側にいることが増えた。それにプラスして瑛二の気を引く方法も分かってきた。
「瑛二、疲れた。マッサージしろ。
瑛二、ゲームがしたい。」
「…進一郎、だらしないぞ。」