秘書はあらがえない気持ちを抱いて 【おまけ①】
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「瑛二さん、どうされたんですか?そんなに急いで。」
キスをしながらも、何とか進一郎から瓶を奪い返して屋敷の中を逃げ回っていると、ランドリールームからメイドの椎名さんが出てきた。
「いえ、何でもありませんよ。ハハハッ…」
「あっ、その瓶、今流行ってるフルーツですよね?」
「ええ、あっ!良ければこれ、もらっていただけませんか?」
「えっ、良いんですか?」
「はい、先程理央からもらった物なんですが、進一郎様に渡すと"とても危険"なので、もて余していた所だったんです。
ですから、もらっていただけると、そして出来るだけ早く全部食べていただけると助かります。」
「……私で良ければ。早く全部食べるお手伝いさせていただきます。」
「ありがとうございます。」
この日、椎名さんの助けを得てなんとか危険は回避したが、まだこのフルーツの瓶に関して終わっていないことを、俺はまだ知らなかった。