ダブルブルー
「ほら、佐野さーん?そんな風にぼーっとしてたら、あっと言う間におばさんになっちゃいますよー?」


あ、もう、立派なおばさんに片足つっこんでますっけ?


気がつかなくてごめんなさーい!!


男性陣も、佐野さんに会うのを楽しみにしてましたよー?


どんな化石おばさんがくるんだろー?って。


もう、やめなよー。ほんとのこと言われたって、何にも言い返せないじゃん。


ね?そうですよねぇ?


くすくすくす。


そんな笑い声は、ちいさな私の自尊心さえ、ぽきりと折るには充分で。


目をぎゅっと、いちど瞑る。


大丈夫。


私の自尊心なんて、たいしたこと、ない。





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