ダブルブルー
「まさしく、間違いようがなく。『ノー青さんノーライフ』、なんです」


くちびるを私の意思とは関係なく、勝手に滑ってゆく、コトバ。


そのコトバたちを、一言一句逃すこと無くいつも、受け止めてくれる青さん。


「ふふふ。蒼ちゃんはどこまでも可愛くて素直、だねぇ」


でもオレもとっくのとおに、おんなじ気持ち、だよ。


ずっと、ずっと前から、ね。


「ほら。もっと、暖めたげる」



言いながら、私の右手の手袋を外した青さんは、同じく左手の手袋を外した自分のてのひらを私のてのひらに絡ませた。


素肌って、あったかくて気持ちい。


そのまま、絡まったふたつのてのひらは、青さんのコートのポケットに吸い込まれた。


青さんのぬくもりと、私のぬくもりが溶けて絡まって、ひとつになる、シアワセ。







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