ダブルブルー
「蒼ちゃん、今、忙しかった?大丈夫?」


スマホを当てた左耳からは、青さんの優しい声が流れ出す。


私のちいさな変化をいつも、丁寧に掬い上げてくれる青さん。


そんな青さんを、大切にしたいと、思う。


「…あ、今、青さんのこと考えてて。すごいタイミングで青さんが電話をくれたから、びっくりしちゃって」


青さんこそ準備、できたんですか?



「うん。いっしょに選んだスーツもちゃんと着たよ。オレさ、この色すげー似合うよね」



なんて、自画自賛の青さんに、思わず笑ってしまう。








< 428 / 436 >

この作品をシェア

pagetop