傷だらけの黒猫総長
「……ごめん」
「謝らないで。わたしが黒羽くんと一緒にいたかったの。……わたし達、共犯だよ?」
ちょっぴり悪戯に笑って顔を覗き込むと、黒羽くんは柔らかく目を細めてコクンと頷いた。
たったの50分だけど、わたし達の心の距離はグッと縮まった気がする。
「それじゃあ、そろそろ中に戻ろうか」
「……、あぁ」
立ち上がる為に、あれからずっと繋いでいた手を離すと、少し名残惜しく感じる。
チラッと隣を見ると、黒羽くんも離れた手を見ていて、同じ気持ちなんだなって、笑みが浮かんだ。
それと同時に、ちょっとドキドキもして。
何でだろうと思いながら、立ち上がる。
「そういえば、どうして屋上の鍵を持ってたの?」
「……借りた」