傷だらけの黒猫総長
「あぁ、こいつは遠坂伊吹。俺のダチで若菜の兄貴な。重度のシスコンに目を瞑れば、色々とデキるやつだ」
「妹が世話になっている。これからもよろしく」
「は、はい。わたしは市松苑香と申します」
「若菜のお兄ちゃん、表情筋が死んでるけど気にしないでね。生まれつきだから」
ニコニコ笑いながら言われて、素直に頷いていいのかな、と少し迷った。
ともあれ、今日は賑やかな1日になりそうだ。
「さぁてそれじゃ、人数も増えたし、ここはパーッと遊園地にでも行くか!」
「さんせー!」
「ふむ、最短ルートを割り出そう」
「……遊園地、か」
「……? 黒羽くん、遊園地は苦手?」