傷だらけの黒猫総長
ひとまず、クローゼットの服の仕分けを続けていると、隅の方に木箱が仕舞われていることに気づいた。
これも服なのかな、と引っ張り出して蓋を開けてみると、ピンク色の服と少し色褪せた写真が出てくる。
「……? 昔の写真かな……」
写真の方を手に取って見てみると、高校生くらいの人達が何十人と並んで映っていた。
ギロッと怖い顔をしていたり、満面の笑顔だったり、背中を見せていたり、表情豊かな集合写真だ。
みんながお揃いで着ている服は、応援団が着る学ランにちょっと似ている……かな?
「あ、この真ん中の人……お母さん、だよね?」
沢山の人達のちょうど真ん中に、お母さんの面影がある若い女の人が、満面の笑顔で映っていた。
お母さんの隣には、5、6歳くらいの男の子もいて、お母さんに頭を撫でられて嬉しそうに笑っている。