傷だらけの黒猫総長




「この子、誰だろう……お母さんが高校生くらいだろうから……今は、20代になるのかな?」




お母さんの知り合いにそんな人いたっけ、としばらく考えて、「う〜ん」と写真を手放す。

心当たりがない。


仕方ないので、今度はピンク色の服を取り出してみると、写真の中の人達が着ている服と同じものだった。




飛翔謳歌(ひしょうおうか)……に、飛龍(ひりゅう)火煉(かれん)? あ、袖のところにも何か書いてある。夷険一節(いけんいっせつ)と、4代目総長……?」




背中に大きく縫われた刺繍を読んでも、袖の刺繍を読んでも、全く意味が分からない。

これはどういう服なんだろう……。




「……特別な服、みたいだし、取っておこうかな。……あっ」



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