傷だらけの黒猫総長
無表情で残念がった(?)伊吹さんは、くるりとわたしの方を向いて、そう言った。
そんなわけで、詠二お兄ちゃん、伊吹さん、若菜ちゃんの3人が1人乗りで、わたしと黒羽くんが2人乗りすることになり。
2つのレーンで大人組が先行して走り出すと、若菜ちゃんとわたし達も、左右のレーンに分かれて一緒に走り出すことになった。
「あははっ、のんびりだけど気持ちい〜♪」
「わ、わ、あぁっ。ご、ごめんね、黒羽くんっ」
「……苦手なのか?」
隣のレーンの若菜ちゃんと並走しつつ、わたし達のカートはグラグラと蛇行運転する。
主にわたしのせいで。
「う、うん、実は……緊張してハンドルを回し過ぎちゃうというか、あぁっ、またっ!」
「落ち着いて、焦らなくていい」
「あはっ、そのちゃんの意外な苦手発覚? 頑張れ〜♪」