傷だらけの黒猫総長




「……なるほど。そういうものか」


「そのちゃんも運転できるようになったし〜、レディー、ゴ〜!」


「えっ、えっ? そ、そんな急にっ!」




ノリノリな合図で、若菜ちゃんはグンとスピードを上げて走り出す。

黒羽くんもわたしに予告してからスピードを上げて、慌てふためくわたしを補助しながら、ゴールまで熱く走り切った。




「俺の勝ちだな、伊吹。副総長様も腕が鈍ったか?」


「戯け、もう一戦やれば引き分けだ。もっとも、その後元総長に勝利の機会はないが」


「いぇーい、“なー”の勝ち〜♪」


「……次は負けない」


「ご、ごめんね、わたしが足引っ張っちゃって……」




乗り場を後にしながら、わたし達は喜んだり落ち込んだり、はたまた闘志を燃やしたり、わいわいと盛り上がる。

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