傷だらけの黒猫総長
3人は“恐怖”をどこかに置き忘れてきたかのように、どんどん先へ進んで行くので、のろのろと進むわたし達は段々と取り残されていった。
「うぅ……みんなの声が聞こえない……黒羽くん、置いて行かないでね……」
「あぁ」
「おやおや、可愛い2人連れだこと。お嬢ちゃんは何をそんなに怖がっているのかえ? まるで人間みたい……はて、人間……?」
「ひぃっ! ち、違いますっ、人間じゃないです!」
「ろくろ首……」
話しかけてきた女の人が首を傾げると、にゅるんと伸びてはいけないところが伸びて、ビクッと肩が跳ねる。
「おや、そうかい。人間だったら喰ってしまうところだけど……くんくん、確かに人間の匂いはしないね」
「〜〜っ!!」