傷だらけの黒猫総長
声にならない悲鳴をあげて、黒羽くんにしがみつきながらコクコク頷くと、女の人に頼み事をされた。
それをこなせば、次の行き先を示されて……。
全く動じない黒羽くんに引っ張ってもらう形で、わたしはなんとかお化け屋敷を巡った。
「いやぁ、ありがとう、ありがとう。これでまたコレクションが1つ増えたよ。ところで……その腕輪、キラキラしてて素敵だねぇ」
「!?」
「あぁ、欲しいなぁ、欲しいなぁ。ねぇ、今度はその腕輪をちょうだいな……?」
最後は妖達に追いかけられて隠れることになり、わたしは涙目になりながら、悲鳴をあげないように口を押さえた。
このお化け屋敷、怖すぎる……。
「苑香」
「っ……く、黒羽くん……?」