傷だらけの黒猫総長
黒猫の変化
懐いた黒猫
5月になり、ゴールデンウィークも過ぎた後、初めての席替えをしたわたし達のクラスは、どこか新鮮な空気が漂っていた。
わたし自身も、廊下側の席だったのが正反対の、窓際の席に変わって。
出席番号順で隣だった黒羽くんは、なんとわたしのすぐ後ろ、窓際最後尾の席になるというミラクルが起こった。
「へぇ〜、また近くの席になったの!? やっぱりコウとそのちゃんは運命的だね♪」
「う、運命的……なのかな? 黒羽くん、席替えの日は来てなかったから、余りの席になったんだけど……」
「余りで角の席引けるのは強運でしょ! いいなぁ〜、“なー”も窓際で日向ぼっこした〜い」
遊園地で遊んで以降、わたしに対しても砕けた一人称を使ってくれるようになった若菜ちゃんは、そう言って机に寝そべった。