傷だらけの黒猫総長
「今日はお休みじゃなかったの?」
「休みじゃないよ〜、1時間目はちょっと寝てただけで。流石に集会の後は仮眠取らないときついから」
「そうなんだ……えっと、どこで寝てるの?」
「葉くんセンパイ、オススメのサボりスポット……じゃなくて、人が来ないところ♪ 離れ校舎なんだけど〜」
場所を聞いてみると、例の“静かなところ”……西階段の踊り場のようだった。
若菜ちゃんの、いわゆる口を滑らせた部分は聞かなかったことにして、わたしは頼まれた通り、黒羽くんを迎えに行くことに。
若菜ちゃんも一緒に行こうと誘ったのだけど、ニコニコの笑顔で「“なー”は用があるから♪」と断られてしまったので、1人で教室を出る。
3階の渡り廊下を通って離れ校舎に移ると、突き当たりまで真っ直ぐ、歩いていった。