傷だらけの黒猫総長
「……」
遊園地に遊びに行った日から、全く会っていないわけじゃないけど……やっぱり、黒羽くんを前にすると思い出しちゃうな。
お化け屋敷で凄く密着しちゃったこと。
後から思い返しても、顔が熱くなる。
「うぅ……」
意識を逸らそうとすればするほど、余計にあの時のことを意識してしまって、必死に手で顔の熱を冷ました。
「……黒羽くんは、全然平気そうだよね?」
チラッとあどけない寝顔を晒している黒羽くんを見て、ちょっとした意趣返しのつもりで、そっと頭を撫でる。
遊園地で遊んだ日は、わたしも苦手なものに結構遭遇したから、黒羽くんに沢山助けてもらっちゃった。
「……なんで、こんなにドキドキするんだろ」