傷だらけの黒猫総長
「……そう、だといいな」
目を細めて言った黒羽くんの頭に、つい手を伸ばす。
よしよしと撫でると、黒羽くんは目を瞑って受け入れたので、手が止まらなくなった。
この黒猫さん、“お触り欲”を凄い掻き立ててくる……!
「コホン。飛翔謳歌がそんな素敵なところなら、どうして関わっちゃいけないの?」
「……危ないから。喧嘩、するんだ。殴り合いの」
「そうなの?」
和気あいあいとした平和なイメージから、突然空気がガラッと変わって、眉を下げる。
黒羽くんも怪我をしたりするのかな、と心配になって見つめると、温かい視線が返ってきた。
「うちは、あんまり喧嘩しないから大丈夫。でも、他の暴走族から喧嘩を売られることもあるから」