傷だらけの黒猫総長


先輩に言われて考えてみると、自分でも思い当たる節が結構あって、逢見くんに笑いかけた。

真っ赤っかな逢見くんは、「そっ、そ、そうかな……っ!?」と動揺を残したまま返事をしてくれる。




「へぇ、それじゃあこの機会に、市松さんも名前呼びに変えてみたらどうかな? 親しくなっても、呼び方を変える機会はあまりないし」


「「ナイス副会長!」」


「名前呼びに……?」




別のところを片付けていた矢吹(やぶき)先輩にそう言われて、キョトンとする。

言われてみれば、名前で呼ぶことに抵抗がある相手でもないし……と、慌てふためいている逢見くんを見た。




「確かにいい機会かも。そうしてもいいかな? (つかさ)くん」


「っ……! ぅ、うん……」



< 151 / 283 >

この作品をシェア

pagetop