傷だらけの黒猫総長
逢見くんは俯きながら小さく頷く。
その様子に、よく頷いて答えてくれる黒羽くんの姿を思い出して、ドキッとした。
なんで今、黒羽くんが……?
「ちょっと刺激が強かったかな。逢見くん、こっち手伝ってくれる?」
「は、はい……っ」
ふふ、と微笑んだ矢吹先輩に手招きされて、司くんはピューッと離れる。
わたしもわたしで、先輩達に囲まれて恋バナをすることになり、ちょっぴり困りながらお片付けに励んだ。
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「よい、しょ。ふぅ、これで全部かな?」
離れ校舎にある備品置き場で、生徒会室から持ってきた荷物の整理を終えて、一息吐く。
「こっちも終わったよ」
棚の裏からひょこっと顔を出したのは、司くん。