傷だらけの黒猫総長




「……閉じ込め、られちゃった?」


「そうみたい、だね……ど、どうしよっか、苑香さん、スマホとか持ってる?」


「えぇっと……! あ、リュックの中だ……」


「僕も、リュックの中……」




助けを求められそうなアイテムを持ち合わせていないことに気づいて、わたし達は黙り込む。


ど、どうしよう。




「ど、どうして開かないのかな? 外から鍵を閉められちゃったとか?」


「いや……ここの鍵は僕達が持ってるし、先生が見回りに来るような場所でもないから、それはないと思う」


「じゃ、じゃあ、鍵は開いてるのに開かないってこと……? それって……」




超常現象、と頭によぎって、鳥肌が立つ。

その上、背後でカタンッと音がして、「ひっ」と思わず司くんの制服を掴んだ。

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