傷だらけの黒猫総長


1人はガバッと立ち上がり、叫びながら走り去って。

1人はキラキラした顔でわたしの手を取ると、ぶんぶん振り回し。

1人はぶつぶつと呟いて何かに戦慄している。



予想外の反応で、どうしたらいいか分からない……。

そんなに凄い写真だったのかな?




「えっと……初代って……?」


「知らないの!? いーよいーよ、こっち来て!」




テンションが高い女の人に手を引かれて倉庫の裏に行くと、壁に沢山の人の名前が書かれていた。

中でも、真ん中には一際大きく書かれた名前があって……。




「“宮武(みやたけ)佑香(ゆうか)”! ウチらの飛翔謳歌(ひしょうおうか)を作った、我らが伝説、革命の総長様だよ!」


「お母さんの、名前……」



< 17 / 283 >

この作品をシェア

pagetop