傷だらけの黒猫総長
立ちはだかる壁
暴走族の襲撃
皇輝くんが悩みごとを打ち明けてくれてから、もう1週間が経つ。
普段は変わらずクールな様子なのだけど、わたしに気づくと優しい眼差しを向けてくれるのが、最近のドキドキさせられることだ。
ううん、他にも柔らかい口調に変わる時だったり、さり気ない距離の近さにドキドキしたりするのだけど。
あぁ、たまに、皇輝くんと司くんが鉢合わせて険悪な空気になるのは、別の意味でドキドキするかな。
ブルルン……ブルルン……
「DNAの塩基にはA、アデニン、T、チミン――――」
ブロォン……ブロォン……
お腹が空いてくる4時間目の授業中、なかなか止まないバイクの音に、みんながチラチラと外を気にしていた。
わたしもみんなと同じように窓の外を見ていると、不思議な光景を目撃する。
学校の周りに、バイクに乗った人達が集まってきてる……?