傷だらけの黒猫総長
バルルルル
ブロォンブロォン
「うるさいな……」
大合唱をしているバイクの音に、誰かが思わずそう呟いた時。
わたしの後ろで、ガタ、とイスが動く音がした。
「皇輝くん……?」
振り返ると、皇輝くんが無表情で立ち上がっていて。
「保健室に――」
「優等生の皮ぁ被った、黒羽くーん? 飛翔謳歌の1年総長さーん? 俺らと遊ぼうよー!」
「!」
皇輝くんが言い切る前に、外から大きな声が聞こえてくる。
見れば、校門のところにいる人が拡声器を持って校舎を見上げていた。
「え……今、黒羽って……」
「何だ? あいつら……」
「ねぇ、なんかやばくない……?」