傷だらけの黒猫総長
「彼らについては、必ず学校が対処する。皆騒ぎ立てず、落ち着いて授業に集中するように」
それでも教室は静かにならなかったけど、先生が淡々と授業を続けると、次第にヒソヒソ話は減っていった。
わたしは黒板の文字をノートに写しながらも、どうしても皇輝くんのことが気になって、チラチラと外を見続ける。
だからか、校門の前にいた人達が別の場所に移動し始めたことに、そして、彼らが向かう先に学ランを着た誰かがいることに気づけた。
ガタッ
「――先生、わたしも保健室に行ってきていいですか?」
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Side:―――
時は少し遡る。
ざわめきを振り切って教室を出た黒羽皇輝は、とても静かとは言えない廊下で若菜に出会った。
「コウ! あいつら……」
「あぁ。前の集会で絡んできた族だ」