傷だらけの黒猫総長
「チッ、わざわざ学校に来るなんて迷惑なやつら。これでコウのお父さんに連絡いったら、どうしてくれんのよ!」
自身の手のひらに拳を打ちつけた若菜を横目に見て、皇輝は階段に向かって歩き出す。
「なるべく騒ぎにならないように方をつける。葉先輩と合流するぞ」
「分かった」
3階に降りた2人は、階段前でスマートフォンを操作している葉を見つけて駆け寄った。
「葉くんセンパイ!」
「待ってたよ、2人共。倉庫に連絡して応援を頼んだから、僕達はあれを学校から引き離そう」
「あぁ。学校側の介入はどの程度考えられる?」
「通報止まりかな。とは言え、警察が来たら僕達もピンチだ」
穏やかな物腰は変わらず、控えめな微笑みを浮かべる葉の答えを聞いて、皇輝はすぐに判断を下す。