傷だらけの黒猫総長
「……俺が1人の時を狙ったつもりか? これだけの数を集めていたら、強気なのか弱気なのか分からないな」
「あぁ? てめぇ、口の利き方には気をつけろよ。今ここでフクロにしてやってもいいんだぜ?」
全方位から殺気立った視線を向けられた皇輝は、横に張り付いたリーダー格の男を静かに見た。
「やりたければやってみろ。どんな怪我をしても責任は取らないが」
「チッ、生意気な……! てめぇが絶体絶命だってこと、分からせてやるよ!」
怒鳴り声を合図に、バイクの後部シートに乗っていた者達が筆頭となってバイクを降りる。
周囲を鉄の塊に囲まれたまま、一斉に殴りかかられた皇輝は、軽々とそれらをいなし、かわしていった。
「ってぇ! おい、オレに当てんな!」
「お前が俺の前に飛び出して来たんだろうが!」