傷だらけの黒猫総長
「オラァッ!」
ブンッ
スカッ
「っのヤロ……!」
何人に殴りかかられても平然といなし、かわし、余裕綽々と佇む皇輝の姿に、襲撃者達は青筋を立てる。
「全員退けっ!」
ブルンッ、ブルルルッ
その中でも、後方にいた1人にバイクで背中を狙われた皇輝は、目を細めて素早く横にずれた。
しかし、今度は避けるだけに留まらず、すれ違いざまに横蹴りを食らわせる。
「ぐぉっ!?」
「危ねぇ!」
「……借りるぞ」
男を蹴り落とした皇輝は、主を失ったバイクにそのまま飛び乗り、出口のない包囲網を強引に突破した。