傷だらけの黒猫総長
「総長、連れて来ました!」
「ましたー!」
奥の階段を登って2階のお部屋に着くと、男子3人、女子2人の計5人が、カラフルなお部屋の中にいた。
テーブルを囲むように置かれたソファーに座っている人もいれば、歩いてる途中で振り返ったような体勢の人もいる。
「――……」
「えっと……こんにちは。初めまして」
その中で、テーブル奥の1人用ソファーに座っている人と目が合って、わたしはとりあえず微笑んだ。
しっとりと濡れたような、艶やかな黒髪に。
夜空に輝く星のように神秘的で、物言わぬ静かな瞳。
冷徹にさえ感じる表情のない顔、だけど……。
彼は、ほんの少し目を見開いて、薄く口を開けた。