傷だらけの黒猫総長




「悪影響? いい影響の間違いでしょ! 少なくともここにいるよりはずっといいわ!」


「その結果が、暴力沙汰による3ヶ月の停学だろう。私は皇輝を不良にする為に、家から出ることを許したわけではない」


「仰る通りです。ですが、あなたの教育は少々厳し過ぎるのでは?」




わたしは緊張している皇輝くんの腕に触れながら、みんなの話し声を黙って聞き続けた。

口を挟むには、わたしは皇輝くん達のお父さんのことを知らな過ぎるから。




「学校にも行かず、遊び呆けているような人間にとってはそうだろう」


「……お言葉ですが、僕は自分のことについて、嘘は吐いていませんよ。成績も“優秀”と評価されています」


「若菜だって、勉強は得意なんだから! バカにしないで!」



< 238 / 283 >

この作品をシェア

pagetop