傷だらけの黒猫総長




“あら、見つけちゃったの? ふふっ、しょうがないわね。本当は秘密にしようと思っていたんだけど”




そう言って笑うお母さんの姿が、簡単に想像できる。


わたしは顔を上げて、もう一度みんなにお願いした。




「お母さんが亡くなった今、この場所のことを聞けるのは、きっとここにいる皆さんだけなので……どうか、教えてもらえませんか?」


「え……」


「……亡く、なった?」




女性組の声がわたしの後に続く。

正面の彼以外は、驚きの表情を見せて、顔を見合せた。


彼は、じっとわたしを見続けて……後ろから近づいた体格のいい男の人に、ポンと肩を叩かれる。




「どうする? 総長さんよ」


「……」




みんなが“総長さん”を見て、その言葉を待つ。

彼は目を伏せると、淡々と答えた。

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