傷だらけの黒猫総長
電話かな、と思って画面を見ると、そこには黒羽皇輝の文字があって、ドキドキッと鼓動が速くなった。
「も、もしもしっ、皇輝くん……?」
〈もしもし。まだ、学校にいる?〉
「え、うん。校門を出たところだけど……」
〈それじゃあ、今から言う場所に来て〉
スマートフォンでやり取りすることがほとんどない皇輝くんは、初めての電話でそう言って、道案内をする。
困惑したまま、落ち着いた声に従って歩くと、〈その道を左〉と言って通話が切れ。
言われた通り左に曲がってみると、私服姿の皇輝くんが、黒いバイクに跨って待っていた。
「こ、皇輝くん……!」
「久しぶり。会いたかった」
「へっ!? う、うん、わたしも!」