傷だらけの黒猫総長
わたしを見て、微笑むように目元を和らげた皇輝くんと、その言葉にドキッとして、赤面しながらそう返す。
まさか皇輝くんに会えるとは思ってなかったから、心臓が大変なことになってる。
サプライズをしてくれた皇輝くんは、キョトンと首を傾げているけど。
「体調、悪い?」
「全然っ! 大丈夫、大丈夫だよ! あの、これは、皇輝くんに会えたのが嬉しくてっ」
「……そっか。よかった」
皇輝くんは不思議そうな顔で納得して、ほんのり微笑んだ。
バイクに乗っているかっこいい姿と、柔らかい表情のギャップにドキドキが止まらない。
前のわたしは、どうやって皇輝くんと普通にお話してたんだろう……。
「後ろ、乗れる?」
「の、乗っていいの? えっと……うん、大丈夫だと思う」