傷だらけの黒猫総長


――かけがえのない大切な人から繋がった縁は、わたしを新しい世界へと導いて、心惹かれる男の子と出逢わせた。



最初は、傷だらけの心を隠していた黒猫総長さん。


彼を通じて親しくなった人達は、みんな彼のことを気にかけていて。




みんなの想いと、わたしの想いが通じて解れた彼の心には、きっとまだ傷が残っているんだろう。


けれど、彼を取り囲む温かい世界は、その傷を徐々に癒してくれるはずだ。



許されることなら……誰よりもわたしが、あなたの傷を癒して、あなたを幸せにしたい。






ううん。

きっと、わたしがあなたを幸せにするよ。



だから、笑顔に溢れるその日を、待っていて。




――優しい優しい、黒猫さん。






[終]
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