傷だらけの黒猫総長


縁起物を挙げると、真面目で爽やかな雰囲気の逢見くんは「そうかも」と楽しそうに笑った。


彼とは中学2年生の時に委員会で知り合って、去年はクラスメイトとして1年間を共に過ごした仲だ。

この学校は同じ中学校出身の人が少ないから、顔を合わせれば自然と話し込んでしまう相手でもある。




「今日は部活紹介があるね。苑香さんはどこかに入る予定ある?」


「ううん、まだ決めてないよ。逢見くんは? やっぱり生徒会?」


「そうなるかな。文化部も一応考えてるけど……去年は、生徒会長でやりがいがあったし」


「ふふ、逢見会長、みんなに人気だったね」




推薦で会長選挙に出た逢見くんは、戸惑いながらも立派なスピーチで生徒会長に選ばれて、1年間務めを果たした猛者だ。




「そうかな? 僕より苑香さんの方が人気者だったけど……卒業式の時も、1、2年生がいっぱい来て泣いてただろう?」



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