傷だらけの黒猫総長
不思議な様子だけど、男女問わず、思春期にはよくあることらしいから、今更突っ込んだりはしない。
「本当にありがとう、逢見くん。実はおばあちゃんと2人で、ちょっと大変だったから……遠慮なく頼っていいかな?」
「うっ、うん! もちろん! いつでも駆けつけるよ!」
「ふふっ、ちゃんと邪魔にならない時間に連絡するね?」
やる気を示してくれる逢見くんに笑いながら答えて、4階の廊下でわたし達は別れた。
1年2組の教室に入って挨拶をすると、先に着いていたクラスメイトのみんなが挨拶を返してくれた。
出席番号順で、わたしは廊下側の1列目、前から2番目の席だから、荷物を下ろすと大抵後ろか、横から声を掛けられる。
「おはよ〜、市松さん。ねぇねぇ、さっきチラッと見ちゃったんだけど、階段で一緒にいたの彼氏?」