傷だらけの黒猫総長
授業が終わった後、わたしはすぐに黒羽くんへ話しかけた。
教科書とノートを閉じていた黒羽くんは、横目にチラッとわたしを見ると、淡々と答える。
「礼は、もう受け取った」
「うん。嬉しかったから、もう1回ちゃんと伝えたくて。あのね、朝は関わらないって言ったけど……やっぱり、やめていいかな?」
「……?」
お話を聞いてくれそうな雰囲気に、ニコリと笑って黒羽くんへ向き直る。
「わたし、黒羽くんとお友達になりたいんだ」
「……友達?」
ぽつりと繰り返した黒羽くんは、数秒間黙り込んで、昨日のようにハッキリと答えた。
「無理だ」
「……どうして?」
「俺とは、関わらない方がいい」