傷だらけの黒猫総長
「えぇ!? ひど〜い、葉くんセンパイも“なー”に教えてくれなかったの!?」
ぷくっと頬を膨らませた可愛い女の子は、ぶつぶつと文句を言った後にわたしの手を取った。
「ね、若菜とも友達になろう? っていうか、なって!」
「う、うん。いいよ」
「やったぁ! あ、名前言ってなかったよね。遠坂若菜だよ。よろしくね♪」
「こちらこそ、よろしくね。わたしは市松苑香です」
微笑んで自己紹介をすると、若菜ちゃんはニコッと可愛い笑顔を返してくれる。
“思い出の倉庫”にいた人達のことはよく分からないけど……きっと、仲がいいんだよね?
若菜ちゃんと黒羽くんも。
「若菜。……弁当」
「あ、そうだった。ありがと〜、コウ」