傷だらけの黒猫総長
黒猫と天使の戯れ
小テスト
カリカリと、シャープペンシルを走らせる音だけが教室内に響く。
回答欄を埋めて2回、3回と確認作業をした頃、終わりを告げるタイマーの電子音が響いた。
ピピ、ピピ、ピピ
「はい、じゃあテストは前に回して。先生が回収しに行きます」
ふぅ、と息を吐くように、雑多な音が教室に戻って、緊張が緩和される。
遅れて回ってきたテスト用紙を前の子に渡すと、まもなくチャイムが鳴って、3時間目の授業が終わった。
「小テスト解けた〜?」
「うん。ってか授業の内容まんまじゃん」
「マジ!? やっば、聞いてなかったのバレる……」
ざわざわとした声の中からそんなお話が聞こえてきて、そういえば、とお隣さんを見る。