傷だらけの黒猫総長
黒羽くんは数式を修正して、どうしてそうなるのかを丁寧に、分かりやすく教えてくれる。
その説明をふむふむと聞いて、数式の続きを書いては黒羽くんに確認を取って、と繰り返していった。
「――で、そのまま計算すれば……」
「できた! わぁ、ありがとう! 黒羽くんって教えるの上手だね」
嬉しくてニッコリ笑うと、黒羽くんは神秘的な瞳を少し揺らす。
確認の為に、似た問題を今度は1人で解いてみると、スラスラと答えが出た。
「黒羽くん、合ってる?」
「……あぁ」
「よかった。本当にありがとう!」
黒羽くんが分かりやすく教えてくれたから、むしろ得意な問題になったかもしれない。
「あ、あの。私も、分からないところがあるんだけど……教えてもらえない?」