傷だらけの黒猫総長


わたしは目を丸くしながらも、場所を空けて、困惑しながらみんなの質問に答えていく黒羽くんを見守る。




「俺は市松(いちまつ)に教えて欲しいんだけど……」


「わたし? いいよ! 分からなかったら一緒に考えるね」




たまにわたしの方にも来るクラスメイトの子に応えていると、休み時間がすっかりクラス総勢の勉強会に変わっていた。




「コウ、そ〜のちゃんっ。ってうわ、何これ。コウが大人気……」


「あ、若菜(わかな)ちゃん! あのね、わたしが黒羽くんに勉強を教えてもらったら、みんなも教えてもらうことになって」




休み時間、たまにわたし達の教室に遊びに来る若菜ちゃんを迎えると、簡単に現状の説明をする。

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