傷だらけの黒猫総長


今日も可愛いヘアアレンジやメイクをしていてオシャレな若菜ちゃんは、「あ〜」と納得した声を出した。




「コウって頭いいもんね〜。知り合いのセンパイにもよく勉強教えてるよ」


「そうなの?」


「うん。まぁ、あの人達はちょっとアレだから、若菜でも分かる問題で頭抱えてることあるけど」




知り合いの先輩って、あの倉庫にいた人達のことかな、と思いながら「そうなんだ」と少し笑う。


勉強会はチャイムが鳴るまで続いたけど、みんなが席に戻った後に、わたしは黒羽くんの元へ行って、声を掛けた。




「黒羽くん、お疲れ様。みんな喜んでたね」


「……あぁ」




黒羽くんはいつも通りの無表情だったけど、どこか戸惑いが感じられるような気がして、「あのね」と微笑む。

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