傷だらけの黒猫総長
「ありがとう、苑香さんもお疲れ様。これから見回りに行こうと思ってるんだけど、よかったら一緒にどうかな?」
「見回り?」
「うん。部活が本格的に始まって1週間経つから、ちょっと様子を見に。苑香さんは人当たりがいいし、こういうの向いてると思って」
「そうかな? じゃあ、一緒に行かせてもらうね」
他にやろうとしていたこともなかったから、わたしは頷いて逢見くんと生徒会室を出る。
見回りに行く順番を決めて一緒に廊下を歩くと、中学校でもよく見回りをしてる逢見会長に会ったなぁ、と思い出した。
「逢見くんは中学校でも、よく放課後とか見回りしてたよね」
「あぁ、うん。生徒会は生徒の声を聞く仕事だから。こっちから話を聞きに行くと、結構改善できそうな問題が出てくるんだ」