傷だらけの黒猫総長
「……構わない」
黒羽くんは横目にわたしを見ると、そう言って屋上の縁に向かう。
元から少しお話をしていくつもりだったので、わたしも黒羽くんの後を追って、フェンスのない屋上の縁に近づいた。
「わ、やっぱり高いね」
「……怖いなら中央にいればいい」
「うーん、そうなんだけど、1人ぼっちも寂しいし。黒羽くんとお話してたら気が紛れるかな」
低い縁に背中を向けて座り込んだ黒羽くんの隣に、わたしも腰を下ろす。
下の階には沢山の人がいるけど、広い屋上には、わたしと黒羽くんの2人きり。
こういうのって、ちょっとドキドキするな。
「もうすぐ4月も終わるね。黒羽くんは高校生活、慣れた?」
「……あぁ」
「そっか。学校は休み休みだけど、クラスのみんなとも馴染めてるみたいだし、よかった」