高嶺の寺子さんは、銀髪の先輩に溺れることにした
 
「お姉ちゃん、食欲ないの?」

 話しかけてきたのは、中学2年生の妹の加子(かこ)

「え? あ、全然。ちょっと考え事してて」

「あら、青春かしら?」

 その母の一言に、父の箸が止まった。

「莉子。不純異姓交遊は禁止だ。全てにおいて、高校生らしい行動を心がけなさい」

「…分かっています。私はそういうことに興味はありませんから」

「そうか」

 一気に食卓の雰囲気が冷え込んだ。
 
 でも、これは珍しいことではない。
 
 我が家の通常なので、皆慣れている。

「ごちそうさまでした」

 父が食べ終わり、部屋に戻っていった。
< 10 / 28 >

この作品をシェア

pagetop