高嶺の寺子さんは、銀髪の先輩に溺れることにした
「お姉ちゃん、食欲ないの?」
話しかけてきたのは、中学2年生の妹の加子。
「え? あ、全然。ちょっと考え事してて」
「あら、青春かしら?」
その母の一言に、父の箸が止まった。
「莉子。不純異姓交遊は禁止だ。全てにおいて、高校生らしい行動を心がけなさい」
「…分かっています。私はそういうことに興味はありませんから」
「そうか」
一気に食卓の雰囲気が冷え込んだ。
でも、これは珍しいことではない。
我が家の通常なので、皆慣れている。
「ごちそうさまでした」
父が食べ終わり、部屋に戻っていった。