高嶺の寺子さんは、銀髪の先輩に溺れることにした

「そうか。 じゃぁ、よろしく」

 先輩はこちらの返事を聞かず、2年生の注目も物ともせず帰っていった。

「やっぱり可愛い人って、付き合う人も派手だね。寺門さん、ちょっと怖いかも…」

「しっ! 聞こえるよ」

 バッチリ聞こえました。

 同性からの陰口は、正直キツい。

 陰口を言っていた子たちと目が合い、私はバツが悪くなり急いでその場を去った。


ー ガチャ ー

 扉が開く音と共に、未央がたくさんの食料を持って入ってきた。


「お待たせ! って、莉子どうした? お腹でも痛いのか?」

 屋上で項垂れている私に、未央が駆け寄る。
 
「み、未央~! 悲しいよぉ」

「本当にどうしたのよ、何があったか言ってごらん?」

「あのね…」

 私はそこで初めて、彼女に昨日あったことと先程の件を打ち明けた。

「そ、そんなことがあったの!? 確かその先輩って、チャラいけどイケメンで有名な人でしょ」

「そうなの? 全然興味ないから知らなかった」

「私は莉子が、恋愛作家を目指してる事を知らなかったよ」

「言えなくてごめんね」

「ううん、私は応援するからね!」

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