高嶺の寺子さんは、銀髪の先輩に溺れることにした

 突然連れてこられたのは、白い外壁にたくさんの観葉植物が飾られたおしゃれなカフェ。

「ここって」

「デートには打ってつけだろ?」

「で、デート!?」

 じゃぁ、今日のお昼はお誘いだったということか。

 先輩、疑ってごめんなさい。

 私は、心の中で何度も陳謝する。

「次のお客様、どうぞ」

「何ボーッとしてんだよ。呼ばれたから行くぞ」

「あっ! は、はい!」

「でけぇ返事だな。周りに迷惑だから静かにしろ」

 先輩から注意されて辺りを見ると、皆クスクスと笑っていた。

「すみません…」

 途端に恥ずかしくなり、小さくなって先輩の後ろをついていく。

 案内された席は、景色がよく見えるバルコニーだった。

「わぁ、綺麗ですね!」

「そうかよ、良かったな」

「素敵なところに連れてきてくれて、ありがとうございます!」

「別に」

 先輩は素っ気なく返事をした後、顔をそらした。

 もしかして、照れている…?

 よく見ると、耳が少し赤い。
 
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